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観感:『龍馬伝』‐第三十一話【西郷はまだか】&三十二話【狙われた龍馬】(前編) [テレビ・ラジオ]

ここのところ、この『龍馬伝』も
大河ドラマのご都合主義的な部分などが目に見える感があり、
どうしても批判的な見方になってしまっているが・・・。
つーか、演出家くらい毎回固定しろよなぁー、もうー。

でもまぁ、この大河の影響力のすごさってのもあったりで、
福山が出ているスーパード○イのCMなどを見ていると、
どう考えて龍馬にしか見えなかったりする。
そういう意味では、作品の能力も侮れない部分があるという事だな。

本編も龍馬の最大の偉業の一つ『薩長同盟』の
締結までの道程に入り、結構盛り上がって来てはいるしね。
素直な気持ちで観て行こうとするかねぇ。

ちなみに、前回はすっとばしてしまったが、
結構重要なシーンが多かったので2話まとめての
感想文になる事をお許し頂きたい・・・。


※以下、本編の内容に言及します。
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・三十一話:

三十話の最後のシーンは、
長州と手を結ぶ事を龍馬が西郷に懇願したところで終わったが、
冒頭で西郷がそれを了承したところから今回はスタート。

あまりの順調さに「えーっ」と思ったが、
書面作成の要求を西郷が否定した事で納得した。
そりゃそうだ。薩摩側からは絶対出せんわなぁ。

それでも、桂を説き伏せたらいいと長崎を発つ龍馬。
お供には陸奥を起用。消去法で選んだと嘯く龍馬だが、
ここらへんのやり取りは各人の性格を良く表していて面白い。
今回の演出家は当たりと見た!


長州で桂亭に到着した二人だが、呼びかけても返事がないため
進入しようとした処を用心棒らしき人物に咎められる。
その人物が『中岡慎太郎(上川隆也)』であった。
中岡は土佐勤王党に参加しており、脱藩し長州で行動していた。
勤王党瓦解後は、桂と都落ちした公家衆の護衛をしていたのだと言う。
そして現在、桂は対幕府の先陣を切る為不在との事だった。

ヤットデタマンの中岡慎太郎であるが、もうちょいはよ出せよと。
最近のすっかり定番となった、龍馬達といきなり初対面で、
「おお、○○、生きちょったがか!」と再会されても視聴者は「ポカン」だぞ。
勤王党時代にちょっとだけでも顔出したら済む事だと思うけどなぁ・・・。

しかし毎回驚かされる役者さんのすごさ。
上川隆也はミスキャスと思ったがなんのなんの、
ツラがどんどん中岡に似てくる気がして非常に良い。
今は亡きクラッツエスパー大森南萌を彷彿とさせるのぉ。

ちなみに余談ではあるが、一説によると
薩長同盟の考案者は中岡であるという考え方もあり、
この龍馬と再会するシーンでは必ずと言っていいほど、
「中岡も同じ事を考えちょったがか!」というようなセリフが入る。
今回も同様でした。親族からプレッシャーでもかけられてんのか。


桂亭で公家衆と面会し、中岡との再会を喜ぶ龍馬。
そして、同行してきた陸奥陽之助の活躍もあって、
三条実美より薩長同盟の裏書を得る事に成功する。

個人的には、この回はこのシーンが一番よかった処だ。
後にカミソリ外相と呼ばれる陸奥が、口はっちょう手はっちょうで、
龍馬の活躍を公家達に演じる事で相乗に評価を高める場面が、
皆の人物像を非常によく表していると思う。
「ワイ連れてきて大当たりや!」のセリフ回しもGood!

これを持って、
龍馬+陸奥は桂の説得、中岡は西郷の説得にかかり、
下関での会談を目指し動き出すのであった。

最近の回では珍しいくらいのいい流れだ。


薩摩に到着した中岡は龍馬の意思を告げ西郷を説得する。
藩論をまとめるために、主君である島津茂久、小松帯刀らと議論を重ねる。
茂久(忠義)はほとんど傀儡で主権はなかったようであるから、
恐らく一番論破に苦労したのは大久保一蔵だろう。

中岡が待つこと数日、遂に藩論を纏めた西郷は、
火急の勢いで下関へ向かうのであった。


一方、三条実美からの書状を盾に桂含め長州藩士達を説得する龍馬。
遂に熱意に押される形で、龍馬を信じる事にした桂だった・・・。
って、ちょっとまてーやぁー!
西郷が藩論まとめるのにあんだけ苦労した描写があるのに、
なんで長州は桂だけが決めてんの?おかしいだろ!

いくら侍大将で全権の親を得ているとはいえ、
まず毛利敬親公にお伺いを立てるのは必須だろ。
そんでもって、一番の難問は薩摩を一番敵視してる晋作でしょーが!
高杉に事後報告するのが後で一番こじれるはずなのに・・・。
ここは、薩摩嫌いな高杉が、長州のために私怨を殺して、
同盟のために決意した処を西郷が裏切る形になるからドラマがあるんだよっ!
なんでこんな重要な事はしょるかなぁ・・・と思った場面でありました。


そしてラストシーン。
西郷をひたすら待ちわびている龍馬と桂のところへ
ついに中岡が堰を切って飛び込んでくる。
しかし、持ってきた知らせは「西郷は京へ行った」というものであった。
「君達を信じた僕がバカだった」と龍馬達を見限る桂。
打ちひしがれる3人は陣を追い出されてしまうのであった。

このシーンは、鬼土下座で熱く謝る上川氏と、
失望を露にしながら龍馬達に当たる谷原氏の演技が秀逸ですな。
西郷が来なかった絶望が、双方によく出てると思います。

ちなみに、来なかった理由として、
今作では幕府の隠密が居た為となっているが、
実際は、劇中にあるように京都大阪に長州征伐の幕府軍が多数おり、
それに関して火急の用件があると大久保から便りを得たためが史実なり。

結果的に一時は長州を裏切る形になった西郷だが、
実際は長州討伐を阻止する動きをしていただけであり、この後も、
薩長同盟のために、あくまで下手に奔走するのである。
う~ん、さすがせごどんは大人物だなぁ。
まぁ、そこまでせしめた龍馬がすごいのかもしれないけどね。


というわけで現時点では、同盟のための大きな一手を失った訳だ。
2藩の関係は修復可能なのであろうか、といったところだね。

しかし、未だに一蔵どんが出てないんだけど、大丈夫なのか・・・。



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コメント 2

たいちさん

薩長の関係修復案は、当時としては、凄いことなんですね。(軍艦と銃)
by たいちさん (2010-08-11 15:56) 

amsp

>たいちさん
各藩が殆ど別国的な扱いでしたからねぇ。
実際にこの同盟で維新が行われる切欠になりましたし、
龍馬はたいしたものですね。

by amsp (2010-08-13 12:57) 

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